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JCA サイクリングレポート 
麗しのシュガーアイランド 久米島 私の島旅紀行②

奇岩「鳥の口」からアーラー林道、ミーフガー、比屋定バンタ、久米島の自然をめぐります


 カーテンを開けると青空が広がっていました。目の前に広がる白砂・イーフビーチを早朝散歩、ここはシュガーライドではランチ会場になります。さあ、今日は島を一周サイクリングです。
 別れしな「明日は10時くらいから走ればいいかなー」「いや島一周だから8時出発にしましょう」「ええー」そんなやりとりがあったのでちょっと心配だったけど、久米ンズはみごとに集合しました。時間に正確です。
 島を左回りに走ります。最初は島尻崎、トクジム自然公園にある奇岩「鳥の口」を目指します。しばらく走るとシュガーライドのふれあいパーティ会場になる「リゾートホテル久米アイランド」のアーチが見えてきます。ふれあいパーティでは健闘をたたえ合い、飲んで、歌って、最後はカチャーシーで盛り上がる、ウチナーの夜の楽しみが味わえます。

リゾートホテル久米アイランド

シュガーライドのふれあいパーティ会場


久米島で3つあるリゾートホテルのひとつ。シュガーライドのふれあいパーティは夜を徹してここで行われる。
Tel 098-985-8001

 アイランドの近く、そう、久米島のレンタサイクルといえば「ホームプラザよしなが」を紹介しなくては。「ホームプラザよしなが」の店長は久米ンズのメンバーでもあります。自転車の販売・修理はもちろん、困ったことはなんでも引き受けてくれそう、店長の笑顔はそう語っています。

レンタバイク

ホームプラザよしなが

レンタサイクル&メンテナンスも

レンタサイクル&メンテナンスはここ。FELTのロードバイク、マウンテンバイク、電動アシスト自転車も揃う。料金は2,000円/1日。Tel 098-985-8869


店長はいつもニコニコ、久米ンズのメンバーだから何でも相談に乗ってくれます。

 海を左に見ながら「アーラー林道入口」の分岐を左折、いくつかの起伏を越えると「鳥の口遊歩道」の標識があらわれます。阿檀(あだん)が生い茂る細い道を進み、最後は自転車を置いて徒歩で階段を上ります。「鳥の口」は文字通り鳥が口を上に向けて餌を待っているようなかたちをした岩。青空、日差しに照らされてのどが渇いているようだったので、ペットボトルから水をあげている写真を撮ってもらいました。常緑低木・阿檀の緑と空と海の青、原色の対比が美しい。久米島はどこでもこんな感動を味わえます。
 アーラー林道を抜けて兼城港方面へ向かいます。アーラー岳(287m)への上りは約3km、かなりの急坂が待ち受けています。途中自転車を止めて休憩、すると蝉の大合唱が。ミーン、チョシチョシ…、久米島の蝉はとても元気です。アーラー林道は緋寒桜の名所、1月~2月には桜のトンネルができるそうです。頂上を越えた瞬間、風が吹き抜けました。下に儀間の町、兼城港が見えます。


「鳥の口」に向かう阿檀の生い茂る細い道、緑と青のコントラスト、久米島はこんな気持ちの良い道がいっぱいあります。


鳥の口にペットボトルの水を注いでいるのわかる!


アーラ林道を1列になって上ります。アーラ岳287mの上りはけっこう走りがいがあります。道の両側は緋寒桜の並木。久米島では1月~2月に満開の時期を迎えます。

 儀間で県道89号に合流し、具志川庁舎のところで県道242号へ。国の指定天然記念物「五枝の松」と「」を見学、久米島の歴史にふれます。五枝の松は樹齢250年、高さ6m、幹の周囲約4.3m、枝が地面を覆う面積は250㎡に及び、根が石を枕にして地面に広がり、枝が波打つように地を這う姿は久米島の守護神のようです。


五枝の松はしっかりと根を張り、250年の時の流れを見続けてきました。耳を幹につけて久米島の歴史を聞けることができればなあ…。

 細い石垣の道を行くと、そこだけ居住まいを正しているかのような旧家に出会います。そこが1750年頃に建てられたという上江洲家。フクギで囲まれ、琉球瓦、石垣、琉球王朝時代の氏族の家が今もきちんと残っています。管理をしていらっしゃる女性に、全国大会のときに沖縄を襲った台風17号は大丈夫だったんですか? と聞くと、フクギと隙間の開いた石垣で強風でも大丈夫、強い力を跳ね返すのではなく、やんわりと受け流すのが琉球の智恵なんですよ。ハッと気づかされるような言葉でした。庭には久米島独特の黄色い彼岸花が咲いていました。


琉球王朝の氏族の誇りを今も残す上江洲家。しっかりと手入れが行き届き、背筋がをピンと伸びた佇まい。


風の通りの良い木造家屋、琉球瓦、強い風を受け流す石積みの塀。抵抗するのではなく、さらりと受け入れ流す琉球の智恵です、と静かに女性は語ってくれました。

 さてサイクリストは腹ごしらえも大事。「レストラン竜」はガツンとその気持ちに応えてくれる町の食堂です。久米島そば、ティビチそば、ソーキそば、唐揚げ&そばセット、多種の品目、量多し、食欲旺盛な町の人が集まります。

レストラン竜

ボリューム満点の島民に愛される店




おなかがすいたらここレストラン竜へ。私は唐揚げ&そばセット850円をいただきました。Tel 098-985-2299

 食べ終わったら89号を久米島空港方面へ、空港の先からは平坦な海沿いの道が続きます。久米ンズも私も快調、ただ東シナ海から吹き付ける風が強い。道の突き当たり、穴が穿かれた巨大な岩が現れました。「ミーフガー」、女岩という意味です。子宝に恵まれない女性がこの岩を拝むと御利益があるとの言い伝えがあります。私も将来のことを思い、拝んでみました! シュガーライドではここの駐車場がエイドステーションになります。


ミーフガーへ続く海沿いの道、クルマに出会うことは滅多にありません。道独り占めです。


東シナ海からの風はけっこう強い。久米ンズはそれでも快調な走り。


ミーフガーの駐車場で一休みしました。今日の久米ンズには久米島町役場の浜本尚哉さんが参加しました。


ミーフガーは穴を穿った大きな岩。子宝に恵まれない女性が拝むと御利益があるそうです。シュガーライドの名所です。

 ミーフガーから「具志川城址」へはきつい上りです。平良さんが「この間膝が痛くってサー、通風じゃないかと医者へ行ったら、つーふうじゃないよ、ふーつうの筋肉痛だって言われてサー、でもまだ痛くって上れるかなー…」。弱音ともつかない駄ジャレに思わずズッコケそうになりました。私はなんとか具志川城址の駐車場まではがんばって、ここで一息入れ、階段を上って城跡の上から壮大な海を眺めます。城址は独特な曲線を描いた城壁が残っています。


ミーフガーから上りにかかります。みんな一頑張りの地点です。


ミーフガーの向こうには東シナ海、コーナーを抜け、いよいよ具志川城跡への坂にかかります。


ミーフガーから坂を上っていくと道沿いに具志川城址が現れます。私は必ずここの駐車場で一息入れます。そして階段を上って城址の上に、曲線をえがいた城壁の間を歩くと、いにしえの息づかいが聞こえてきそうです。


琉球独特の曲線を活かした城壁の上に立つと、往古の人も同じ海を見つめていたのだろうなあと想いもひとしおです。

 城址からさらに坂を上り、サトウキビ畑を抜け、海に向かって下りタチジャミ(立神の意)へ。そこからつづら折れの道をまた上ります。絶景ポイント「比屋定バンタ」に到着です。


具志川城跡の坂を上ると、サトウキビ畑の中を走る道に出ます。その先はまるで海に飛び込んでいくような「タチジャミ」へ向かう坂。ここからの景色も抜群です。

 バンタとは崖という意味、展望台に上ると左下はサトウキビ畑、右手には白い浜が連なるハテの浜が見えます。正面遠くには粟国島、座間味島、渡嘉敷島も望むことができます。展望台は冷たい風が吹き抜けて、ちょっとセンチメンタルな気分にさせてくれます。

比屋定バンタ

遙か粟国島も見えるビューポイント


展望台の床に描かれた地図の方向の彼方、粟国島、座間味島、渡嘉敷島が望めます。


はるか下にはサトウキビ畑、強い風が通り抜けていきます。比屋定バンタはとびきりの絶景。ちょっとセンチメンタルになります。

ここから「バーデハウス久米島」のある奥武島へ急ぎました。畳石の先の海に沈む夕日を見るために。大きな夕日は、海に落ちてジュッと音を立てるかのように沈んでいきました。


畳石の先に夕日が沈んでいきます。それは今日一日の島旅の楽しいサイクリングを祝福するように。

■続きはこちら
麗しのシュガーアイランド 久米島 私の島旅紀行③

 
旅人・森田正美(もりた まさみ)


2010年にプロのロード選手を引退し、現在はJCAサイクリングインストラクター&ナビゲーターとして本誌サイクリン特集の旅人をはじめさまざまなイベントや自転車教室で活躍中。

 JCA 参考リンク http://www.sugar-ride.com/ 2012/12/26
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