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JCA サイクリングレポート 
山サイ、海サイ 南房総ぐるり旅 走って、見て、食べて、千葉県はたのしいよ~!②

太平洋岸に沿って海サイ・元気旅。黄金色に染まる海は感動のスペシャルシーン!


 今日は太海から国道128号線(通称房総黒潮ライン)、県道297号~国道410号線(通称房総フラワーライン)を館山方面へ走ります。左側は太平洋、外房のきらめく日差しを浴びながら岬や入り江、白浜や磯、海岸沿いのサイクリングロード、海サイを満喫します。緑の中を走り、心癒される山サイに対して、海サイはなんだか元気になります。もしかしたら潮風に含まれるミネラルが体に吸収されて、それが作用して元気になるのかな(なんて勝手に想像しています)。

国道128号線を館山方面へ走ります。左手は太平洋が続いています。潮風、潮の香り、潮騒、なんだか元気になります。

 道の駅鴨川「鴨川オーシャンパーク」で岩間理事、澤口さんと待ち合わせ、ここからスタートします。全国大会ではちょうどこのあたりがお昼時。地元で仕入れたちょっと耳寄りな情報をお伝えします。ここ鴨川には“おらが丼”という新鮮な地元食材を使った丼があります。太海周辺のお店自慢の丼、新鮮な魚介がふんだんにのった「太海フラワー磯釣センター」(TEL:04-7092-1311)の「波太丼」(1785円)、さんが焼きと鴨川産の牛肉しぐれ煮がのった「道の駅鴨川オーシャンパーク」(TEL:04-7092-1911)の「牛魚丼」(1200円)、ヒジキご飯の上にサザエがのった「舟付」(TEL:04-7096-1200)の「さざえのつぼめし」(1200円)などほっぺが落ちそうな美味しい丼がそろっています。ぜひ召し上がってくださいね。


「道の駅鴨川オーシャンパーク」は建物が“さざえ”のような形をしています。ここの「牛魚丼」はとても美味しい。

 しばらく走って「江見漁港」を訪ねてみました。穏やかな朝の漁港、魚箱の中にはヒラメ、伊勢エビが入っています。組合のお兄さんに「この伊勢エビ、いくらくらいですか?」と聞くと、「キロ3000円くらいかな」、そうかあ私たちが東京で口にするときは…、きっとかなりの値段ですね。


喧噪の去った江見漁港。箱の中をのぞいてみると、大きな伊勢エビやヒラメが入っていました。

 国道128号線は朝のラッシュが終わり、私たちは明るい日差しを浴びながらサイクリング再開。海岸線がずっと続き、すると澤口さんが「手前の岬が和田浦、遠くに見えるのが白浜、岬の向こうが野島崎ですよ」と、この長い海岸線をずっと走るんだ、思わず「すごい!」と叫んでしまいました。
 右手に「花の広場公園 花夢花夢」という看板が見えます。“花夢花夢”は“カムカム”と読みます。ここから千倉にかけては南房総花の名所です。取材時はちょっとシーズンを過ぎていましたが、本誌が発行される頃は一面、花・花・花の素晴らしい景色になっていると思います。


房総は花のメッカです。早春のパンジーからはじまってさまざまな花が咲き乱れます。
ここ「花夢花夢」はいっぱいの花であふれています。

 「和田浦」は関東唯一の捕鯨基地、歯鯨類のツチクジラを対象に、17世紀から続く房総の捕鯨の歴史を今に引き継いでいます。鋭い傷跡の残る板張りの解体所を見学。ここで薙刀のような包丁で12mにもなるツチクジラを約1時間で解体するとか。解体の日は地元の小学生も見学に来るそうです。詳しくは外房捕鯨㈱のホームページをhttp://gaibouhogei.blog107.fc2.com/。ツチクジラは南房総の名物「鯨のタレ」として食べることができます。火にあぶって食べると口の中に香ばしさが広がりとても美味しい。和田浦にはもうひとつスポットが、「竜宮社」です。太平洋に向かって縁結び、商売繁盛、海上安全・大漁祈願の鐘があります。思いを込めて鐘を突くと願いが叶う、初日の出にはパワースポットとして多くの人が押し寄せるそうです。私も素敵な人と巡り会えますように…お願いしました。


和田浦は関東唯一の捕鯨基地です。ツチクジラの解体所の説明板には房総の捕鯨の歴史が書かれています。



南房総の名産「鯨のタレ」(650円)はあぶって食べると最高! 「ハクダイ」Tel 0470-44-3608で購入することができます。


和田浦のもうひとつのスポット「竜宮社」。太平洋を臨む海辺の高台に商売繁盛、縁結びの鐘があります。竜宮様にそっとお願いをしました。
 海岸沿いのサイクリングロードを走ります。沖にはサーファーたちが波間に漂っているのが見えます。きれいな橋が現れました。「サーファー橋」、サーファーたちのメッカを象徴する白い橋。好き抜ける潮風がとても気持ちいい。サイクリングロードを出て房総フラワーライン(県道297号)へと進みます。左右を防砂林に囲まれた直線道路、潮騒の音も遠くに聞こえます。右手にローズマリー公園が現れました。ここには新しく「はなまる市場」が誕生、地元の新鮮な農産物などを中心に美味しいものが手に入ります。

和田浦からローズマリー公園あたりまではサイクリングロード。潮風サイクリングを楽しむことができます。

和田浦から海岸沿いのサイクリングロードを行くと、海に注ぐ川を白い橋がまたいでいます。通称「サーフ橋」、サーファーの聖地・和田白渚海岸からついた名前だとか。

房総フラワーラインに入ります。防砂林が続く走りやすい道です。海の音も微かに聞こえます。

道の駅「ローズマリー公園」に新たにオープンした食の市場。地元の新鮮な農産物を中心に、醤油など南房総ならではの逸品も。Tel 0470-28-4030

 千倉で、「海岸美術館」と「高家神社」に立ち寄りました。「海岸美術館」は写真家・浅井慎平氏の40年にわたる作品を収めた美術館。千倉の海から離れ、ひっそりとした森の中にあります。向き合うライフセーバー、1964年のビートルズ、波の打ち寄せる砂浜、閑かな館内、フレームの世界に吸い寄せられていくようです。高家神社は料理の神様を祀っています。28段の石段を登ると厳かな茅葺きの社殿、二拝二拍手一拝、どうか素敵な人の胃袋をきゅっと掴むように料理を上達させてくださいと願いました。
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 (キャプション)
 写真家・浅井慎平の「海岸美術館」。40年に渡る浅井慎平の軌跡を集大成。知らずの内にフレームの中に吸い寄せられるようです。Tel 0470-44-2611



 恋が叶う料理の神様「高家神社」。南房総のLovers’ Spotのひとつ。男性の胃袋をつかむことが恋の成就に欠かせないとか。もちろんお祈りしましたよ。
 
 そろそろお腹がすいてきました。道の駅ちくら「潮風王国」の前に、海鮮料理「六治郎」という看板を見つけました。“漁師の店”と出ています。これは美味しそう! 早速メニューを広げると「刺身定食」(1150円)、海鮮丼(1250円)、それに「刺身とヒレカツ」(1150円)といったセットメニューも。まよわず刺身とヒレカツを頂きました。お刺身がトロ、ヒレカツがサクッ、もう幸せです。



千倉「六治郎」の豪華・刺身とヒレカツ定食(1150円)。道の駅「潮風王国」の前にある「六治郎」でランチをいただきました。味、ボリュームともに大満足。Tel 0470-43-8331

 緩やかなループを描いた南房千倉大橋を渡ると、ちょっと風が出てきたのか、磯に波が当たり白いしぶきを上げています。いくつかのコーナーを抜けると左手に漁船の停泊する「乙浜漁港」、そこのクランク状のコーナーを曲がるともうすぐ、白浜野島崎に着きます。


海岸沿いを走ると緩やかな弧を描いた南房総千倉大橋を渡ります。ここは太平洋を臨むビュースポット。橋の上にはブロンズの人魚像があります。おなじポーズをしてみました。

風が強くなってきました。岩に波が砕け白いしぶきを上げています。潮を浴びながら走るのも海沿いサイクリングのおもしろさです。

 白浜野島崎、ここは南房随一の人気スポットです。岬への道、芝生と溶岩の台地、パームツリーが並んでいます。左手に白亜の灯台がその美しい姿を見せました。「野島埼灯台」、八角形のその姿は堂々と、傾きかけた日差しを映して青空の中ことさら白く輝いていました。野島崎は房総半島最南端の地です。灯台の周囲を巡る道を先端に向かって走ります。太陽の光が海に長い帯を作り、そこが黄金色に光っています。穏やかな海、見つめている岩間理事、澤口さんの顔も黄金色に染まっています。岬の先端には太平洋に向かって座るベンチが設置されています。サンライズ・サンセット、海を見ながら二人が幸せな時間を過ごすラバーズ・ベンチ。なぜだか3人で座って…不思議な光景。でもとても心地よかったですよ。


野島埼の外周を走ってみた。海は夕日を映して黄金色に輝いています。それは息をのむほど美しい。

野島埼の先端には“房総半島最南端の地”という石碑が立っています。

先端の岩の上にラバーズ・ベンチがあります。沈み行く夕日を眺めながらロマンチックな時間を過ごす、素敵ですよ。

 もうすぐ日が沈みそう、急がなくては。マグロ延縄漁業・安房節発祥の地「布良漁港」
、「南房パラダイス」を通るころにはすっかり暗くなってしまいました。館山湾の先端、須崎を通って館山市へ。
 南房総100kmぐるり旅は、ほんとうに楽しかった。寄り道が多くて時間が足りなくなってしまったけど、それだけ楽しみが満載と言うことですものね。ゆっくりと、味わいながら、あなたの南房総サイクリングを楽しんでください。

「布良漁港」でまさに夕日が海の落ちそうな瞬間を見ました。大きな、赤い太陽が、静かに、海に溶けていくようでした。

夕暮れの道を走ります。南房総サイクリングの楽しかった1日を心に留めながら。


 
旅人・森田正美(もりた まさみ)


2010年にプロのロード選手を引退し、現在はJCAサイクリングインストラクター&ナビゲーターとして本誌サイクリン特集の旅人をはじめさまざまなイベントや自転車教室で活躍中。

 JCA 2013/06/28
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